Interview

【エンジニア】開発基盤ユニットの立ち上げから、目指すものとは

エンジニア

(手前右から)
井原 正博
Speee開発部顧問 / 株式会社ビットジャーニー 代表取締役
Yahoo! JAPAN・開発部長、クックパッド・技術部長などを歴任し、2015年に独立。株式会社ビットジャーニーを設立し、自社プロダクト開発の傍ら、Speeeを含めて複数の企業で開発顧問などを務める。

荻原一平
Speee 開発部 開発基盤ユニット リーダー 兼 情報セキュリティ室
ウェブエンジニアとしてキャリアをスタートし、任天堂にてネットワークサービスの開発、AWSでサポートエンジニア、スタートアップのCTOを経て、2018年Speee入社。

森岡周平
Speee 開発部 開発基盤ユニット
ソーシャルゲームの会社でサーバーサイドエンジニアを経て、2016年Speee入社。


 

 

《2016年、Speeeに開発基盤ユニットが立ち上がった》

 

荻原:Speeeの開発基盤ユニットは、弊社の開発部顧問の井原さん(元クックパッド・技術部長、現在ビットジャーニー・代表取締役)が立ち上げ、現在は、僕と森岡さんの2名が所属しています。開発基盤ユニットのミッションは「エンジニアが生産性を高くより快適に仕事が出来るようにすること」。

 例えば、社内のAWSのアカウントを一元管理し、AWS費用の経理連携をサービスごとに個別に行わず、自動化して、事務処理の効率化を実現したり、セキュリティリスクを一括でモニタリングできるようにしています。エンジニアがアプリケーションを開発する際に、個別にセキュリティも意識して開発するよりは、枠組みを用意しておき、専門分野の人がモニタリングできる状況を整えることで、エンジニアの生産性に貢献していく。セキュリティに限らずですが、こういった「よりサービス開発に専念できる生産性を向上させる環境を整備する」のが、開発基盤ユニットの役目だと思っています。

 また、開発組織と、情シスやセキュリティ部門などとが分断されていると、得てして、エンジニアにとって仕事がしづらい環境が生まれがちです。そうならないようにセキュリティ面のリスクも低減させ、精度も上げつつ、エンジニアの生産性も上がるような環境を提供できるよう、情報システム部と情報セキュリティ室と協力しつつ、整備を進めています。

 

森岡:Speeeに開発基盤ユニットができたのは2016年ですね。当時僕は、別のサービスの開発を担当していまして、エラー・リソース監視ツールの導入を進めていました。そのときのSpeeeはエラー・リソース監視ツールがバラバラだったので、せっかくだから全社的にツールを統一することにしたんですね。そのタイミングで井原さんが開発基盤を作られたので、そこに参加させて頂いてツールの統一を進めてきました。そのときは別のサービスと開発基盤ユニットを4:1の割合で兼務していました。

 

井原:開発部顧問としてSpeeeを見る中で、Speeeのように複数事業を展開する企業に開発基盤がないのは大きな課題だとは感じていました。事業が複数あれば、エンジニアは自分が担当する事業に集中するのは当然で、そうすると木を見る人ばかりで森を見る人がいなくなる。しかし、森を見て全体の生産性や必要なプラットフォームを考えるといった本当の開発基盤を備えれば、Speeeの生産性はもっと高まるはずなんです。クックパッドでも、僕が入った時はエンジニアが7,8人でしたが、それでも1人だけは開発基盤の担当者がいて、ミドルウェアやライブラリ、Railsのバージョンアップをどうするか等を考えていました。組織が大きくなっても、全エンジニアの1割か2割ぐらいは開発基盤に割くことを方針として決めていました。ですからSpeeeも、事業やお客様のためにサービスを開発するエンジニアだけでなく、エンジニアのために開発するエンジニアたちがいることで全体の生産性を上げる、そんな状況を目指して開発基盤ユニットをスタートさせました。

 

 

 

新戦力加入で、好転サイクルが回り始める

 

岡:2018年1月に僕が1人で開発基盤ユニットに1本で開発をしていくことになりまして、そこからIDaaSの導入に着手しました。IDaaSの導入においては、情報システム部や当時出来たばかりの情報セキュリティ室、そして社内のERPシステムの開発チームと足並みを揃える必要がありまして。IDaaSの検証を進めながら、それらチームと認識をあわせて進めるために必要な作業もしていました。当時はそれぞれのチームが他にも仕事を持っている状態で動いて貰っていたので、認識を合わせて進めるためのコストが非常に大きかったんです。結果として、なんとかIDaaSの導入に着手することは出来たけど、必要なシステムの開発に集中できていないという状態が長く続いていました。

 

井原:開発基盤ユニットが上手く機能し始めた要因としては、やっぱり荻原さんがSpeeeに入社してくれたことが大きいと思います。僕だと開発部顧問という立場で、どうしても片手間にしか開発基盤ユニットを見れないので、ちゃんと森岡さんをフルタイムでサポートしてあげられる、技術力だけでなく若手を成長させられる育成力も備えた人材を探していて、そこに荻原さんが見事にはまってくれた、という感じで嬉しかったですね。

 

森岡:そうですね。開発基盤で今まで「こういう事がやりたい」という方向性だけ決まっていて具体的にどうするのか決まっていなかったものが、2018年の夏に荻原さんが入社されてからは、技術的な面だけでなく、施策を進めるにあたっての座組などの面でも、どんどんやるべきことや責任領域が明確になってきたと実感できますね。

 

荻原:開発基盤ユニットとしてやるべきことが具体的になったというのは、AWSに関する知識や、いろいろな技術的な知識を駆使して「こうやればいい」という解を具体的に導き出せるようになったのが一つ。もう一つは、今までバラバラだった情報システム部や情報セキュリティ室、開発部といった部署の協力体制ができて、課題を解消していくサイクルが出来た結果だと思いますね。あとは、情報システム部と情報セキュリティ室にそれぞれプロフェッショナルが新しく入社されて、お互い新しく入社した者同士で仲良くやれているのと、従来のことにはとらわれずにSpeeeを良くしていきたいという課題を共有できているという巡り合わせもあると思いますね。

 

 

森岡:個人的には情報システム部は近くて遠い存在のように感じてました。これまでは情報システム部のエンジニアたちがどういう事を考えて何をやっているのかもわからない部分がありました。荻原さんがそれらの部署に関わるようになってからは、情シス、セキュリティ室、開発基盤ユニットがそれぞれ協力して開発をしていける体制になってきました。それによって今まで以上に、組織を良くするために取ることのできる選択肢が多くなっています。

 

 

開発基盤ユニットが引きよせたい未来

 

荻原:開発基盤ユニットが立ち上がって3年たちますが、まだ今は足元を固めている状態ですね。以前、僕が在籍していたヤフー親会社のYahoo! Incのcore engineering teamがやっていたことや、Amazonの開発基盤的なシステムを見てきた経験からも、セキュリティを守りながらスピード感を持って製品をリリースしていくには、やっぱりその足元の仕組みがちゃんと出来ているからこそ出来ると考えています。なので、まずは足元を固めます。同時に、社内のエンジニアからも、社内の事業部メンバーからも、信頼を勝ち得ていかないといけないと思っています。開発基盤を整備していく過程で、ちょっと面倒くさいことをお願いすることって出てくるとは思うんですよ。そういう時にも信頼されて「じゃあ、いいよ」と面倒くさいことでも受けてもらって、かつ結果を出していけるようにしたいと思いますね。

 

森岡:サービスを安全に運営していく上で必要なものってたくさんあるんですけど、Speeeには欠けてるものがまだ結構あると思っていて。現場のエンジニアの苦労や辛い思いをしている部分を解消できるような基盤を一つ一つ作って行きたいと思います。

 

荻原:あと開発基盤が直接、売上を出すわけではないんですけど、間接的に売上に貢献できるようにならないといけないとも思っています。そのためにもプロダクトを開発するエンジニアに寄り添い、エンジニアが皆課題に感じていることを解決し、まずはエンジニアだけでなく、社内の人たちに「開発基盤があって良かった」「開発基盤があるおかげでモノづくりに集中できる」と思われるようになることが目標ですね。

 

井原:僕が開発基盤ユニットに期待することも、今取り組んでいるID基盤整備ももちろん重要なんですけど、やはりダイレクトにエンジニアに届けられるものをどんどん開発して欲しいですね。例えば、エンジニアがムチャクチャ助かるライブラリを用意したり、社内向けに作った何かの管理ツールが、世の中のエンジニアにもインパクトを与えるような、そんな開発基盤エンジニアになってくれたら、すごい素敵だと思いますね。

 

 

メンバーのさらなる強化、補充に向けて》

 

荻原:「開発基盤エンジニアの醍醐味って何ですか?」と質問されることが多いんですけど、僕の場合は、まずは、他のエンジニアが使ったことのないものを使っているというのがありますね。今取組んでいる社内のIDをシングルサインオンで一元管理するIDaaSプロジェクトでは、Azure ADを使っていて、AWSやGCPだけでなく、Azureのノウハウもたまるのは面白いなと。実際、Microsoft Graph APIは触ってみて、結構よいなと感じています。

 

森岡:僕も、IDaaSの基盤が整ったら、その次のフェーズの各事業部のプロダクトに導入していくところで、さらに挑戦できることが一気に広がるかなと思っています。例えば、セキュリティがきちんと守られているから他のプロダクトのAWSの設定も容易に参照できるようになるとか。セキュアにやれることが多くなると、色んなことが共有・共通化できたり、新たに取り組める領域が広がっていくはずなので、楽しみですね。

 

荻原:Speeeの開発基盤ユニットが直面する「未知の課題」は本当に多くて。その「未知の課題」をいろいろ調べてどうしたら解決できるかって考えて、飛び込んでいけるのも、Speeeの開発基盤エンジニアならではの醍醐味だと思うし、逆に難しい部分でもあるかなと思います。なので「他社で開発基盤してました」って方が、今うちに来て同じことが出来るかっていうと、多分それは出来ないんですよ。やはりいろいろ課題が違ったりとか、フェーズも違ったりするので。

 

森岡:仰る通りかなぁと。僕も前職で今の開発基盤のような部署にいたことがあるのですが、やっぱり今やっていることは全然違うんですよね。Speeeだと各々のプロダクトが全然違うサービスを展開しているので、そこで開発基盤ユニットとして全社的に価値があることはなんだろうと悩むことは多くあります。

 

荻原:ですから、僕たちSpeeeの開発基盤ユニットも、今後やりたいことはたくさんあって、そのためにエンジニアの採用も積極的に行っていくんですけど、「このツールを買ってくれば全て解決する」とか、「これ作れば全て解決する」ようなものはないんで、技術力は備えつつも未知の課題にも飛び込んでいける人で、かつ、ベストな所を考えつつ、よりベターな方に引っ張っていける人を採用したいですね。あと、これのみを専門的にやりたい人よりは、会社のカオスの状態を楽しめて何でも挑戦したいっていう人と一緒に仕事をしたいですね。

 

森岡:正直なところ本当に何も整っていないし、それぞれのプロダクトでやっていることが全然違うので何をどうすれば全社的な開発効率の向上につながるのか悩むことは多いのですが、それも含めて楽しんでやっていける人と一緒に働けると嬉しいですね!

 

井原:新しく入社してくれる人は、荻原さん、森岡さんとはまた全然違うタイプでもいいと思いますね。いろんな人がいた方が面白いと思うし、結果的にみんなと同じ領域を深掘っていくのでもいいと思いますけど、それぞれが別の専門領域を調べて、お互い別の人が得た知見を早く吸収し合って、チームメンバー個々の上積みを作って、チーム力全体の底上げをする、そんな開発基盤ユニットになっていって欲しいですね。

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