Interview

【事業責任者インタビュー】不動産流通改革をけん引するReTech事業の挑戦。

Producer

ReTech事業第一弾の不動産売却のマッチングプラットフォーム「イエウール」がサービスを開始して4年がたった。現在、不動産売却のネット広告市場シェアNo.1。売却成立サポート件数は年間20万件を突破。全国1400社以上の強固な顧客(不動産会社)基盤と大規模な売主集客ネットワークを持ち、最先端テクノロジーを駆使しながら不動産流通市場にインパクトを与え続けている。日本の住宅産業が新築依存からストック型へ移行し始め、さらなる急成長が予想される「不動産流通」ビジネスで、「ReTech事業」が挑む挑戦とは? 事業責任者・池田剛が描く未来の構想にせまっていく。

 

《Speeeへの入社。感じる運命、追い求める理想》

Q Speeeに入社を決めた理由は?

(池田)
もともと新卒後は不動産ディベロッパーに入社しました。仕事は不動産の売買仲介業務です。まさに今イエウールがクライアントとする不動産会社様と同じ仕事をやっていました。その後、Speeeという、インターネットを起点に社会課題を解決していく会社に出会いました。

キャリアのスタートが不動産の営業で、Speeeでのインターネット系キャリアのスタートがSEOアナリストという、ちょっと変わった経歴をしています。SEOアナリスト時代は様々な産業構造やビジネスモデルを横串で見ることができ、デジタル革命がもたらす今後のポテンシャルにとても興奮しました。その後、新規事業の調査や立ち上げを経て、イエウールの事業責任者に就きました。

僕がSpeeeに入社を決めた理由や、Speeeに惹かれる理由ですか?

それは一番はSpeeeにいる人。そして根底に流れる価値観、カルチャーが自分とマッチしていること。そして自分が産業のデジタル化を推進する当事者なんだと感じさせてくれる仕事とチャンスがたくさんあることですね。

Q 重視する企業カルチャーとは?

(池田)
どういう気持ちでどういう価値観で事業をつくろうとしているのか―。そこの企業カルチャーが、コーポレートアイデンティティーに集約されていると思っているんですけど。そこに共感というか、非常に一体感を感じます。自分にとって、仕事をしていくうえで、重要な部分でした。そして縁があり、今のReTech領域を担う事業の責任者を務めるようになりました。キャリアのスタートと同じ産業に従事していくことになり、少なからず運命的なものも感じています。

Q イエウールの事業責任者としての仕事内容は?

(池田)
事業経営全般の役割を担っています。大きな役割は、事業の方向性を示すことです。特に、リソースの配分や人の採用。そして、未来を示し、どんな仕事にどれだけの人をアサインしてどれだけの伸ばしていくのか考えて意思決定をすること。具体的なオペレーションで言えば、採用面接や各チームの目標達成のためのサポートです。今後も事業投資を積極的に継続し続けるため、経営難易度も上がってきています。まだまだ至らない点も多いですが、周囲の心強いメンバーに頼り学びながら、強みの総動員の事業運営を行っています。

 

《イエウールを成長させる組織・人・個性》

Q イエウールを運営する組織体制は?

(池田)
イエウールは、12以上の職種があり、営業・マーケティング・開発・経営企画・人事・経理など会社経営に必要な機能のほとんどがイエウール内に組織されており、一つの会社のような組織体になっています。 多機能多職種な組織なため、保有するスキルセットやキャラクターは多様です。根本で共通しているのは「仕事に真摯」「いいやつ」です。

課題解決に泥臭く取り組みながら、相互理解と尊重が価値観の根底として部分最適にならずに全体最適の視点で仕事を進めていきます。一つのチームでサービス提供が完結することはなく、複数の部門がそれぞれの役割を果たして一つのサービスを形成しています。自身のミッションに真摯に取り組み、かつ全体最適な事業づくりができる。そんなチームだと思っています。

Q  2017年4月に営業責任者が、7月にはプロダクト責任者がジョインしてますね?

(池田)
はい。大里陽一郎と森大祐が、それぞれ、セールス&マーケとプロダクト開発のトップに加わりました。

この二人の存在は大きかったですね。組織のレベルがぐっと引き上がったなという印象です。やはり、サービスや事業を牽引できる人材というのは、社内でも出てくるのに時間がかかりますし、世の中を見渡してもいないことが多い。それまでは、私や他のメンバーが兼務しながらやってきたわけですけど、いざ二人がジョインし、アサインしてみると期待した何倍も高い成果を出してくれる。やっぱりプロっているんだなと思わせてくれる二人でしたね。

プロって何かというと、独自の視点を持っていることだと思います。一般論ではなくて、イエウールの今の事業の状況、組織の状況をしっかりと把握をしたうえで「よりこうすべき」という、他の人がともすると気づいたりとか、もしくは尻込みをする様な意見や行動を、的確に出してくれるー。それがプロだと一番感じるところですね。

Q イエウールの運営組織はどのように進化していますか?

(池田)
セールス・マーケ部門では、大里のマネジメントによりメンバー個々がさらに主体的、クリエイティブを発揮するようになりました。新しい仕事にも意欲的に挑戦しています。その理由は、大里が一人ひとりの懐に入って、課題、要望、悩み、喜びに丁寧に伴奏してくれているからです。

プロダクト開発部門では、森がエンジニアリングの力を引き出し、期待以上のアウトプットを生み出せる開発標準を提唱してくれたのが大きかったですね。今後のビジョン、チャンレンジングなコンセプトを掲げて、そのために今このコードを作ってるんだという進め方。そして、作業時間を6割に短縮し、空いた時間で、クリエイティブ(遊び)の発想、より良いものにする発想を持たせるというアプローチ。その結果としてアウトプットがすごく良くなったと思います。

 

《不動産流通市場のビジネスチャンス》

Q 不動産流通市場の現状と課題は?

(池田)
不動産流通の課題は、消費者が不動産売買を多大な手間とストレスを抱えながら行う必要がある構造になってしまっている点です。 今持っている不動産を売却し、新しい家に住み替えたり、売却資金を新しい用途に活用するなどを行うことでより良い暮らしを実現する大きな一歩を踏み出すことができます。

現代社会は少子高齢化や人口減少、インターネットの普及など大きな社会構造変化があり、消費者の価値観も多様化しています。当然、暮らしや住まいも多様化し、その時々のライフスタイルに合わせて頻繁にアップデートやカスタマイズするニーズが高まっています。

しかし、売買の検討に必要な情報を収集するのは困難で、良い不動産会社に出あうことのハードルも高く、その方法もわからないのが実態です。 不動産会社の視点でも課題はあります。良質な仲介サービスを消費者に届けるにはあまりに大きな労力とコストが必要です。消費者が良い不動産会社を見つけるのが大変な背景には、不動産会社も自社の仲介サービスを消費者に届ける手段を持ちきれずいることが挙げられると思います。

仲介サービスを提供する不動産仲介担当者には専門的知識と経験が求められます。ホスピタリティの高い接客と高度な専門性で、消費者のニーズにお応えできる不動産会社は世の中にたくさん存在しているのにもかかわらず、消費者に出会う手段が限られています。 インターネットが普及し、人と人との距離を縮めやすくなった現代においても消費者と不動産会社の距離が近くなっていない。これが解決すべき社会課題だと考えています。

我々は消費者が一日でも早く、より良い暮らしを実現することを目指し事業を運営しています。

Q 不動産流通分野のビジネスチャンスとは?

(池田)
不動産業はデジタル革命の恩恵を十分に受けていない産業と言えると思います。膨大な事業者数、産業の歴史が長く、根強い商慣習と複雑な業界構造を持つ産業で、ITの活用により産業全体の活性化を期待できる領域です。

ビジネスチャンスは、既存住宅ニーズの高まりと、情報流通のネット化にあると考えています。

新築偏重の住宅購入から既存住宅購入に消費者ニーズがシフトしており、既存住宅の流通量が拡大していきます。しかしながら、新築の販売や中古住宅の客付手数料を収益源としてきた不動産会社様は多く、新築供給戸数の減少から客付を行うプレイヤーも増えて競争が激化しています。売主から販売を預かる「元付け」による仲介は客付による接客・営業活動と異なる部分も多く、その部分の集客や営業活動を強化する事業者ニーズは日に日に高まっています。

また、情報流通の面では、インターネットの普及により不動産売買に関する情報の収集や不動産会社を探す方法はネットによる方法が一般化してきています。一方で、チラシや新聞・雑誌によるオフライン集客はまだまだ多く、競争激化によりオフライン広告の広告投資効率も低下していることから、ネット集客のニーズが必然的に高まります。

イエウールを第一弾に、インターネット時代の情報流通・マッチングを不動産会社様にご提供することで、不動産流通の仕組みの再構築を行いたいと思っています。

 

 

《SpeeeのReTech事業が挑む挑戦。描く未来》

Q イエウールは、今何に挑戦しようとしているのか?

(池田)
私は、これまでのキャリアを通じてインターネット、サーチ、ソーシャル、スマートフォンなど、ITやWEBを起点に世界中の産業がデジタル革命を通じてアップデートされていく姿を見てきました。

我々がターゲットとしている不動産業はデジタルトランスフォーメーションの序章だと考えています。この物語のページをSpeeeがいち早くめくっていくことを目指しています。今後は不動産流通業界のアップデートに向けて試金石となるプロダクト開発を進めてます。既存プロダクトの継続的成長と新しい取り組みを高度に両立する事業経営、今後はこれに力を入れて取り組んで行きたいと思います。

Q イエウールが描きたい未来とは?

(池田)
不動産会社様は現状これまで大手が強い。大手が強いのは、名前を知っていて不動産売却というある意味難しくてよくわからないものを、安心して預けられそうだ、というところがこれまであったと思います。

イエウールがこれからやりたいのは、いいサービスを提供した不動産会社様がユーザーに選ばれるようになっていくようにしたいと思っています。それは大手かもしれないし地元密着の会社様かもしれない。いずれにせよ、不動産会社様のサービスの良さを可視化し、また、ある意味ブランドをつけてユーザーに選ばれるような状況を構築していきたいと思っています。それによって、広告予算規模の勝負だったこれまでの不動産集客を、広告予算の規模ではなくて、広告の投資効率が上げて十分な集客を得られるようにしていきたいと思います。

ただネット上でマッチングするだけでなく、大手じゃない不動産会社様でも、良質のサービス・接客を提供したら、ユーザーにきちんと選ばれる。もっとユーザーを集客できるー。そんな世界を作りたいですね。

Q イエウールのサービスをどう進化させていくか?

(池田)
現状のイエウールを利用するユーザーの最初のニーズは「売却価格を知りたい」ということだと思います。価格を知った後は、「良い不動産会社を選びたい」というニーズに変わるはずなんですよね。売る決断をした時は実際に不動産会社様に売却を依頼しないといけないので。そこに対して我々は貢献していきたいといことですね。

ですからイエウールで提供できる情報も、「売却価格」と「不動産ブランド名」以外の情報も提供できるようにしていきます。不動産会社はユーザーにとってとても価値がある情報を持っています。それをユーザーに正しく届けるのが我々の役割です。アナログな情報をテクノロジーを活用してデジタル化し、価値のあるコンテンツにしていきます。そして同時に、不動産会社の良さをユーザーに伝えるものをつくっていきたいと思っています。

 

 

《イエウール事業の手ごたえ。求めるさらなる仲間》

Q イエウールに対する業界の反応・期待は?

(池田)
マクロ的に見て既存住宅流通は政府方針で自動運転や健康寿命の延伸などと並べられるくらい主要なテーマになっています。少子高齢化・人口減少社会の中で経済活性化のためには避けられないのがこの既存住宅流通です。ミクロで見ても、不動産会社様、消費者どちらかもご期待頂いていることを現場感覚としても感じています。不動産会社様からは、インターネット時代の集客方法・営業活動にシフトするために、イエウールにご期待頂くことが多くなっています。

理由は、不動産広告市場のシフト、デジタルシフトの2つの背景があります。

これまでは新築住宅販売、中古住宅購入を主要な売上として集客・営業活動を行っている不動産会社が多い一方で、現代は生産年齢人口減少に伴い住宅取得者が減少しています。従って、これまでと同じ額の広告投資をしてもこれまで通りの反響を獲得することができず収益を圧迫しつつあります。

また、インターネット、さらにはスマートフォンという新しくて身近な情報獲得ツールが世の中に浸透した結果、チラシ・来店などのオフラインマッチングへのニーズが低下し、オンライン上でのマッチングへのユーザーニーズが高まっています。オンラインユーザーは従来のオフラインユーザーとは集客・営業手法が根本的に異なる部分も多く、この部分に課題を持つ不動産会社もたくさんいらっしゃいます。

不動産会社様の接客・営業活動がインターネット最適にシフトすれば収益性が高まるのはもちろん、ユーザーニーズに合ったサービスを世の中に広く提供できるようになります。このシフトはまだまだ序章といった印象で、今後もこの流れは続いていくと思います。

Q イエウールで一緒に働きたい人とは?

(池田)
あるべき未来に自身の意見を持ち、それに向かって泥臭く主体的に課題解決できる人と一緒に働きたいと思っています。

デジタルトランスフォーメーションが叫ばられる現代であってもデジタルが浸透していない領域にデジタルを武器に挑もうとしています。何度跳ね返されても信念を持って何度も挑み続ける、そういった種類の粘り強さと芯の強さを持っていることが必要です。

そういう人材とともに産業の再構築に挑んでいきたいと思っています。

Speeeの未来をつくる。Speeeと一緒に未来を引きよせる。
意欲ある方からのご応募をお待ちしています。