セキュリティトークンのセカンダリーマーケット(二次流通市場)取引におけるステーブルコインを活用したDvP決済に係る実証プロジェクト「Project Trinity」フェーズ2(業務運用検証)までの実証完了
株式会社三井住友銀行(頭取CEO:福留 朗裕、以下、「三井住友銀行」)、大和証券株式会社(代表取締役社長:荻野 明彦、以下、「大和証券」)、株式会社SBI証券(代表取締役社長:髙村 正人、以下、「SBI証券」)、SBI R3 Japan株式会社(代表取締役:藤本 守、以下、「SBI R3 Japan」)、大阪デジタルエクスチェンジ株式会社(代表取締役社長:朏 仁雄、以下、「大阪デジタルエクスチェンジ」)、株式会社BOOSTRY(代表取締役社長 CEO:平井 数磨、以下、「BOOSTRY」)、Progmat株式会社(代表取締役 Founder and CEO:齊藤 達哉、以下、「Progmat」)、株式会社Datachain(代表取締役 CEO:久田 哲史、以下、「Datachain」)(以下、「関係8社」)、およびSBI VCトレード株式会社(代表取締役社長:近藤 智彦、以下、「SBI VCトレード」)は、2025 年8 月22 日に開始を公表したセキュリティトークンのセカンダリーマーケット(二次流通市場)取引におけるステーブルコインを活用したDvP 決済に係る実証プロジェクト「Project Trinity」(以下、「本プロジェクト」)におけるフェーズ1(業務要件定義と次フェーズ計画策定)及びフェーズ2(業務運用検証)の実証が成功裏に完了したことをお知らせいたします。
1.背景と目的
現行のセカンダリーマーケットにおけるセキュリティトークン(以下「ST」)売買取引では、証券会社間の資金決済とSTの受渡しが必ずしも同時に行われておらず、いわゆる非DvP決済となっています。その結果、取引当事者間には片履行による「元本リスク」が存在しており、安全な大口取引や市場の更なる拡大を阻む構造的な制約となっていました。
こうした中、2023年施行の改正資金決済法に基づき、法定通貨と連動するステーブルコイン(電子決済手段、以下「SC」)の発行が現実に可能となりました。関係8社は、このSCが持つブロックチェーン上での即時価値移転機能に着目し、ブロックチェーン上のスマートコントラクトを活用して、STの引渡しとSCの支払いを同時に行う「DvP決済」の検証を進めてまいりました。本プロジェクトは、決済効率化と元本リスクの構造的な排除を実現し、日本のデジタル証券市場における安全かつ高度な金融決済インフラを構築するための先駆的な取り組みです。
2.フェーズ1及びフェーズ2の実証内容と成果
本プロジェクトは、将来的な「あるべき姿」として約定後即時グロス決済を見据えつつ、数年以内に実現可能な現実解として「証券会社間におけるSCを活用したT+2のDvP決済」を「目指す姿」に定義いたしました。「目指す姿」の社会実装を段階的に進めるため、2つのフェーズを設けて実証を推進しました。これまでにフェーズ1およびフェーズ2を計画通りに完了いたしました。各フェーズの概要は以下の通りです。
将来像と本プロジェクトの位置づけ

(1)フェーズ1:業務要件定義と次フェーズ計画策定(2025年8月~2026年3月)
フェーズ1では、現状と目指す姿とのギャップをオペレーション、システム、法制度の観点から整理し、フェーズ2における具体的な業務運用検証の計画、開発要件について関係者間で合意しました。また合意した業務運用検証の計画、目指す姿を基に、専門の弁護士協力の基、関係当局へ法対応にかかる照会を行いました。
(2)フェーズ2:業務運用検証(2026年4月~2026年9月)
フェーズ2では、フェーズ1で策定した計画を具現化し、大和証券とSBI証券の間において、本検証の利用に限り実発行したSTとSCを用いたDvP決済の業務運用検証を実施いたしました。
SBI VCトレードが発行した「自己私募ST社債」を用い、大阪デジタルエクスチェンジが運営するSTART市場での取引を想定したSBI証券と大和証券の間の2つの自己のST譲渡取引において、三井住友銀行が発行する第3号電子決済手段(特定信託受益権型SC)を決済手段として、DvP決済を行いました。本検証において、ST基盤および社債原簿管理サービスはProgmat、異なるブロックチェーン上のST・SC間STクロスチェーン技術はProgmatとDatachainが共同で提供し、SC基盤はTISI株式会社(代表取締役 社長執行役員:岡本 安史、以下、「TISI」)とFireblocks Pte. Ltd.(CEO:Michael Shaulov、以下、「Fireblocks」)協力のもと、三井住友銀行が提供しました。
大和証券、SBI証券、三井住友銀行、大阪デジタルエクスチェンジは、検証用に作成したDvP決済のタイムラインと手順書に基づき、SC購入・償還、ST譲渡取引にかかるDvP決済、SC不足時や照合不一致時の対応にかかる検証サイクルを実施し、期待通りの結果を確認いたしました。
業務運用検証のスキーム

業務運用検証の体制図

3.今後の展望
フェーズ1およびフェーズ2にわたる一連のプロセスを通じて、証券会社間におけるSTとSCのT+2/DvP決済は、法務面・技術面・業務運用面においてその実現可能性を一定程度確認できました。
また、複数取引、複数ST基盤、複数決済手段、DvP/非DvP混在を想定した「目指す姿」に向けては、決済時限内での安定的な運用を可能とする体制の整備や業務アプリケーションの高度化等、実務面で取り組むべき課題を整理しました。 関係8社は、今回の検証で得られた知見および課題に対する解決策の方向性を基に、「目指す姿」の実現可能性を検討いたします。




